川人綾 | Controlled/Uncontrolled | 2019 年5月9日 ー 6月15日

川人綾は我々の知覚は、視覚から構成されるのではなく、脳を通して構成されていることを幼少期、既に理解していました。神経科学者という父の仕事に幼い頃から魅せられた川人は、創造的なテクニックと視覚的知覚との関係性に深く疑問を抱きました。知覚された世界を分析するには、脳によって使用されるパターンだけではなく、それらを視覚化するために思考、夢、そして精神的経験による内部の仕組みをも研究することが必要です。これらの脳内部での映像は、« visual image reconstruction »(視覚的画像再構成)と呼ばれるプロセスによって、再構成されています。川人綾はこのプロセスから影響を受け、紙の細片を使用し、このプロセスを作品の中で再現しています。色彩、被写界深度、距離感、視覚の朧げ具合や明瞭さなどを巧みに操ることによって、鑑賞者の知覚と現実との直接的な関係に疑問を投げかける作品を生み出しています。

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