ジャック・ボッセ(Jacques Bosser)
旅は常にジャックの創造力を掻き立て続けている。1996年のアフリカでの長い冒険はジャックに幼少期の思い出を蘇らせてくれるものとなった。翌年の1997年には、日本、韓国、台湾へも足を運び、パリジャンであるジャックの世界観を覆し、様々な未知との遭遇は更なる創造力を掻き立てる旅となった。公的だけでなくプライベートの注文もますます受けるようになり、スケールだけでなく、空間を使用し製作をもする。
同時期にジャックは自身が製作に使う資材にも目を向け、さらにテクニックを複雑にし始める。それと同様にジャック・ボッセの写真技術も進化して行く。彼のシリーズの« BTK » (2006), « Wax Spirit » (2007), « Sakura Viper » (2009) et « Héol » (2009)においては、写真が写真を凌駕し、絵画のような作品を生み出していることがわかる、つまりジャックは絵画のような写真を撮った、とも言えるだろう。また、写真におけるフォームの単純化や構成の研究はより鮮やかな色彩を使用することにより、ジャックの写真の強みをより引き立たせてもいる。