コバヤシ麻衣子、山崎龍一 | Don’t look at me! | 2019 年12月4日-12月21日、2020年1月2日-1月11日

コバヤシ麻衣子と山崎龍一の作品は、その見た目から、「可愛い」と特徴付けられる事が多い。しかし、彼らの作品世界は、日本の社会の複雑さからくる本質的な主題を取り扱っている。ピエールイヴカエーギャラリーでは、面識がなく、美を超えて近い主題選択を行うこの2人のアーティストを紹介する。

山崎龍一とコバヤシ麻衣子はほぼ同じ年齢で、それぞれ1976年と1977年生まれ、1990年代初頭の日本のバブル経済とその崩壊の時代を経験した。 山崎龍一とコバヤシ麻衣子は、それぞれ独自の方法で、自国が提供する社会模範に適合しない、時にはそのプレッシャーから社会から孤立する多くの日本の前青年期、青年期、または若い成人が感じる違和感を作品に表現する。

彫刻、デッサン、絵画を用いて、この2人のアーティストによって創作される人物は、顔色が白く、虚弱で、幽霊のようである。コバヤシ麻衣子の作品世界をつくるこの小さないきものは、例えば風のような見えない力によっておびやかされ、今にも飛ばされそうである。このような儚い印象は、日常使う紙(新聞紙、食品袋、メモ帳)を支持体に用いることで強調される。またその一方、山崎龍一が創作する人物は、社会に背を向けるように孤立し、常に単独である。フードを被り、時には布団の下に隠れるように、恥ずかしげ、不安げ、または疲労感を感じさせる表情で、絶え間なく変化する現世に抵抗している。

実際に、山崎龍一とコバヤシ麻衣子の作品を見ると、対人恐怖症やひきこもりなどにみられるように、人間関係や社会に対する苦しみに気づかされる。更に、2人のアーティストがこの苦しみに対して同じ方法で制作していないことに気づく。山崎龍一は、丹念に仕上げられたその作品の美しさと(孤立、危険な食品や、アルコール中毒などにみられるように)社会状況から回避している様子、その対比を強調している 。コバヤシ麻衣子は、反対に、その困難を生きる力に変えたいという意思がみられる。彼女が描く創造物は、新聞などの紙の上に、明確な線や明るい色で描かれる。これは、彼らが時には打ちひしがれながらも、その困難に立ち向かう様子が描かれている。

山崎龍一とコバヤシ麻衣子の作品世界に入ると、作品の美しさだけでなく、社会や他者との関係について自問せずにはいられないのである。

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コバヤシ麻衣子 『Emo-jō』

ギャラリーにて発売中 

18 ユーロ

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