【グループ展】夏木立 Natsukodachi 2020年7月4日 – 8月1日
菅野恒平、Invisible Memories #10、42 x 59,4 cm、インクジェットプリント、2016
ピエールイヴカエーギャラリーは、取り扱いアーティストの作品を皆さまに発見または再発見していただきたいという思いから、7月4日(土)から8月1日(土)までの間、グループ展を開催する運びとなりました。
今回の展覧会「夏木立」では、色とりどりの景色の中をそぞろ歩きしながら、 静かな川のほとりでの気晴らし、観想的な景色の中での物思い、手付かずの自然の探索など、夏の暑さの中ほっと一息ついていただけるような時間をお届けいたします。
山上渡、Totem 01、100 x 80,4 cm、油彩・キャンバス、2016
「夏木立」は、夏の季語として多くの俳句で使われている言葉です。夏の生き生きとした自然や、心地よい木陰を生み出す自然、また人々を保護し感嘆させる自然などを象徴しています。一方で、江戸時代中期の俳人である与謝蕪村(1716-1784)は、極度の静寂を生み出す「夏木立」の不気味さを表した、次の俳句を残しています。
動くともなくて恐ろし夏木立 「蕪村句集」より
豊かで魅惑的な夏は、夜明けから黄昏へと時が果てしなく広がりながら止まっているような休息の季節に思えます。水の流れ、青空、木陰、また地表をかすめる太陽を通して、夏は記憶や感情といったものを私たちに想起させるのです。
夏木立は、その場に佇む間、光と陰を代わる代わる呼び起こし、人々の感情に見られるような、感覚の多元性を露わにしています。
十文字美信、Moment by moment、45 x 59 cm、
インクジェット紙(Canson Infinity Platine Fibre Rag)
参加アーティスト:有森正、オリビエ・オーブリー、十文字美信、菅野恒平、コバヤシ麻衣子、熊野真木子、オノデラユキ、マニュエラ・ポール=カヴァリエ、中嶋宏行、中村穣二、奈良祐希、詫摩昭人、ルイ・タロン、マーク・ヴァサーロ、山上渡
7月5日(日)は、マレ地区のギャラリーや芸術家によるイベント « Arts et Métiers »が行われる関係で、ギャラリーは特別に営業いたします。